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C81新刊 疑問『霖之助は強いのか?』 サンプル





  ・序章 ~ 割と暇な神社にて ~

 人妖共に生き、神さえ集う幻想郷。近年になってスペルカードルールが制定され、弾幕ごっこが広く浸透した事で異変を始めとした大小の騒ぎが頻発するようになった。とはいえ流石にそれが毎日ある訳でもなく、何も無ければ自然豊かな田舎らしく幻想郷も静かなもんなのである。
 平たく言えば、暇な時は暇なのだ。
 そんな幻想郷の東の端、ここ博麗神社の縁側にも少女が二人、暇を持て余してのんびり過ごしていた。

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第7回東方紅楼夢新刊サンプル『花は愛でよと彼女は言う』

h1minihi




 人妖共に生き、神さえ集う幻想郷。この地に於いても人はその儚さ故に短い時を懸命に生き、それを次代へと繋ぎ続けることでそれぞれの時代を作る。一方で神や妖怪などの人ならざる者は永き時を在り続け、存在そのものが歴史を内包する。

 では、そのどちらでもない者は



           ◆  ◆  ◆

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テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

例大祭8新刊サンプル『幻想に駆ける夢』

 人妖共に生き、神さえ萃う幻想郷。結界により隔たられたとはいえ、日本のどこかにある以上は四季の移ろいも何ら変わりなく訪れる。
 時は夏の終わり、秋の彼岸の頃。夏の暑さが和らぎ始めてはいるが、まだまだ紅葉を楽しむには秋の神の力が増すのを待つ必要がありそうだった。
 しかしこの時期、それ以外にも秋の訪れを一足先に感じられる物があったりする。見渡す限り一面を赤く彩る再思の道の彼岸花だ。目が覚める程に色鮮やかながらもどこか儚げで危険なこの光景を、場所が場所だけに知識としては知っていても実際にその目で見た者は少ないが。
 そんな常に人気の無い紅い絨毯の奥の無縁塚に佇む者が一人。古道具屋香霖堂の店主・森近 霖之助である。彼はこの頃になると必ず無縁塚を訪れ、この地の由来となっている無縁仏達を荼毘に付す。
 本人曰くその報酬として、ここへ流れ着く道具を貰っていっているのだとか。まあ、その割に『ここは宝の山だ』とか言っちゃうのであるが。
 しかし例年なら辺りを探索して漁っているはずの霖之助が、今日はただじっと佇んでいる。彼の目前にはこちらの世界では一般的な梱包材である段ボール箱の小山。この事からそれらが外の世界からの流れ物である事は明白なのだが、彼はじっと見つめるばかりで動かない。
 この時霖之助は、暫し思考することすら忘れて歓喜に打ち震えていた。彼の能力と積み重ねた知識は、この小山の中身が『キットカー』である事を告げている。

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第六回紅楼夢新刊『道具屋の橋姫退治』サンプル

ブログ用道具屋表紙
 乾いた風が澱んだ空気を運ぶ地上と地底を繋ぐ仄暗い洞穴の中を、怪しげな光を放つカンテラの明かりを頼りに一人の男――森近 霖之助が荷を背負って歩いていた。
 通常の火を灯すカンテラとは違って不自然に白く、揺らめく事の無い光が闇を照らし、彼の銀髪を鮮やかに輝かせる。
それは外の世界の技術を解読し自己流で再現された彼のお手製で様々な意味において珍しい物の部類に入るのだが、
それ以上に珍しいのが今の彼自身だったりする。
 そうはいっても、別に外出している事が珍しいのではない。まあ親しい者たちは皮肉交じりに珍しがるだろうが、
彼とて年がら年中引き篭もっている訳でもないので、実際は香霖堂の外で見かける事自体はそれなりに多かったりする。
……はずである。
 それはともかく、腰の鞄とは別に背負子に商品である道具を詰め、商人らしい格好でいると言うのは確かに珍しいし、そこに商人としての意欲が滲み出ているとあれば尚更だった。
 道具屋を営む身としてそれは何か間違っている気もするが、人里で最も大きな商店から独立して店を開いておきながら、普段の彼の振る舞いに商人らしい気概や心意気といった物を感じるのは稀である。しかもそれが周りの共通した認識である辺り自業自得なのだが。
 もっとも、本人に言わせればそれは行動の対価として見合わないと思ったり、自身の思想にそぐわない物だったからだと言った答えが返ってくるだろうが。
 そんな周りの評価を知ってか知らずか或いは知ってて気にも留めていないのか、時折カンテラを天井の方に向けて何かを確認しながら黙々と歩いて行く。これは霖之助を今の行動に駆り立てる原因の片割れとなった妹分の助言だった。
 そもそもの始まりはある年の冬に起こった間欠泉異変、正確にはその顛末をいつものように客ならぬ常連二人が霖之助に語った時からであろう。
 外の世界の本にも記述のあった核の力とやらにも興味を惹かれたが、その存在そのものとそこに住まう忌み嫌われた妖怪たち、そして異変解決後に交流が復活しつつある事、取り分けそれらを纏める主が居る事に霖之助は食いついた。
 阿礼乙女の幻想郷縁起に纏められていないと言う事もあって知識欲と好奇心が刺激されたのもそうだが、何より霖之助はその話に新規顧客の可能性を見出したのだ。
 何度も言うが、霖之助自身は他人に気付かれ難いだけで商魂逞しい所がちゃんとあるし、目の前に商機をぶら下げられて黙っているほど引き篭もりな訳では決してない。
 そして今回の事例に関して、霖之助は香霖堂の立地と経営方針に強みがあると踏んだ。
 交流が復活しつつあるとは言え、地底に封じられたと言う経緯から人や地上の妖怪が集まる場所へいきなり訪れるのにはまだ抵抗があるだろう。その点、香霖堂はそう言った場所から程好く遠く魔法の森の入り口と言う事からも、本人としては不本意ながら人も妖怪も余り訪れない。加えて人間と妖怪のハーフである霖之助は客であれば人妖はおろか、神さえ等しく迎えんと構えている。早い話が地上に慣れる為のリハビリの場として丁度良いだろうと言う訳だ。
 来客の機会が増えれば当然売り上げも伸びる。そこから各地へ足を運ぶようになった時にでも香霖堂の名を出してもらえれば宣伝になるし、地上ではお目に掛かれない物を持ち込んでくれるかも知れない。と言うのが霖之助の心算である。
 取らぬ狸の何とやら、とはいかないようにと気を引き締めてはいるのだが、何分考えが顔に出やすい性質なので知り合いが見たら気味悪がりそうな浮かれ顔だったりする。
 今も天井の方へ明かりを向けながら「魔理沙には帰ったらお礼を言わないと」などと呟きながら苦笑して……いや、これはどうも違ったらしい。
 視線の先には天井から垂れる糸にぶら下がった桶が白い光に照らされて、縁から顔を出した少女が不満そうに見下ろしていた。大方いきなり顔の前か頭にでも降ってきて驚かそうと思っていたのに当てが外れたのだろうが、それは流石に八つ当たりだろうと霖之助は肩を竦める。
 そうしてしばらく無言のにらめっこをした後に、霖之助がカンテラの向きを戻して光量を落とすと天井からその桶が降りてきて、中の少女が霖之助の目線まで来た所でピタリと止まった。
 何か言いたい事があるのだろうとやはり黙ったままでいると、敵意を込めて見つめてくるばかりで何も話さない。仕方ないので避けて通ろうとすると、それは許さぬとばかりにこっちへゆらり、そっちへゆらりと邪魔をする。
 ふむ、と霖之助は顎に手を当て考えた。
 霊夢と魔理沙の二人が地底へ降りた際、まず初めに出くわしたのがこの釣瓶落としだったらしい。特に何も言わずいきなり弾幕を撃ってきたと言うから、見張りか警告役を担っているのだろう。単にここが彼女の縄張りと言う事も考えられなくはないが。
 今の所積極的に排除しようとしてこないのは地上との交流が復活しつつある事を気にしてか、それとも元から気弱なだけか。どちらにせよ無視したり強引に通ろうとすれば向こうも黙ってはいないだろう。それは霖之助も望む所ではないので、まずは話し掛けてみる事にした。
「そんなに警戒しないでくれ。僕は妖怪じゃないんだ」
 半分嘘だが、などと思いながらそう言うと彼女は驚きに目を見開き、それでも小首を傾げて怪訝そうにこちらを見た。左右で結んだ緑の髪がはらりと揺れる。
 まあ当然の反応だろう。日本人でなくとも霖之助の銀髪金眼は少々珍しいし、人を襲う妖怪は基本的に人か否かを気配と言うか匂いのような物で嗅ぎ分ける。口でなんと言おうがそれを誤魔化す事は難しいが、しかしながら霖之助の場合はそう簡単にもいかない。
「まあ人間でもないけどね。いわゆるハーフと言う奴さ」
 その言葉で納得がいったらしく、目に理解の色を宿して小さく縦に揺れた。人と妖怪のどちらの気配も感じる霖之助はさぞかし奇異に映った事だろう。
「そんな訳で純粋な妖怪じゃないんだし、通してもらうよ」
 しかし桶入り少女は首を横に振り、ついでに桶ごと左右に揺れる。
「む、ダメかい?」
 問いを返せばためらいがちにコクリと頷きを返された。
「しかしだな、地上の妖怪とは相互不干渉が定められているだろうが、それは人間や僕みたいなハーフも含むのか?」
 尚も霖之助が食い下がると少女は桶の中に顔を半分隠し、不安げに視線を彷徨わせてからそれでもやはり髪をなびかせて懸命に首を振る。
「ふむ、それは困ったな……」
 苦い顔で霖之助は腕を組んだ。だが未だ目標までの道程の文字通り入り口にも辿り着いておらず、こんな所で諦めるつもりはさらさらない。さっきから一言も話さないので性格などを汲み取りにくいが、目の前の釣瓶落としの少女はそれほど利口でもなさそうだし、度胸がある訳でも無さそうだ。上手くやればどうとでもなるだろう。
「仕方ない、僕としても手荒な事は避けたかったんだが……」
 演技混じりに呟くと、大げさに桶がびくりと震えた。どうやら予想以上に気が弱いらしい。そうなると苛める事になるようで心が痛むが、少々騙されてもらう事にした。
「ところで言い忘れていたが、僕は道具屋を営んでいてね。ここへ来たのもその為なんだ」
 今更な上に唐突な話の展開に少女は目を丸くしてきょとんとしてしているが、霖之助は構わず語り続ける。
「ついでに言えば、その常連二人にここの事も聞いたんだが、この二人は君も知っているんじゃないのかな? 以前異変解決に訪れた事もある白黒魔法使いと紅白巫女なんだが……」
 どうかな? と目線で促すと、少女はほんの少し記憶を探るように視線を動かし、二人の姿に思い至ったらしい瞬間に桶の中に引っ込んでしまった。あの二人、特に霊夢は妖怪を相手にすると兎に角容赦が無い。異変解決に乗り出した時などその最たる物である。魔理沙も弾幕ごっこにおいては手加減をしない所があるので、さぞかし酷い目に遭ったのだろう。
「まあ、あの二人と違って僕は荒事は出来ない性質だがね」
 言って霖之助が肩をすくめると、少女は桶の中から恐る恐ると言った風に顔を出してこちらの様子を窺っていた。さっきよりもやや顔色が戻ってるようだが、それも少々申し訳ないなと霖之助は胸中で呟く。
「しかしながら彼女たちの使うマジックアイテムは大体僕が作っていてね、当然ながら僕も使い方を心得ている。二人ほど上手く扱える訳ではないが……」
 言いながらにやりと笑う霖之助に少女は眉を八の字によせて怯えたように見つめていた。流石に霖之助も可哀想かなとも思ったが、それよりも後もう一押しだなと言う思いが顔に出て随分と悪い顔を意図せず作ると、
「威力の程は、思い返すまでも無いだろう?」
 続けた瞬間に桶は高速で天井へ上がって行き、かと思ったら奥の方へと逃げていった。
 そこまで脅したつもりも無いのだが……と薄闇に消える後姿を見送りながら、霖之助は一人頭を掻くのであった。


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この月夜に乾杯を サンプル

この月夜に乾杯を・表紙
 パタン、と些か乱雑に読みかけの本を閉じると、霖之助はそのまま台の上に投げた。
 特に邪魔が入る訳でもないのに何となく文章が頭に入ってこなくなったからだったが、
栞を挟むのを忘れた事に気付いて更に眉間の皺が深くなる。
 思わず何の罪も無い本の表紙を睨みつけ、そこへ落ちる淡い光で漸く違和感の原因を知る事となった。
「ああそうか、今夜は満月か」
 振り仰いだ窓の外には青白く光る満ちた月。
 来客も無く静かなままだった店内は、いつの間にか点けたはずの灯りも消えており、窓からの
煌々とした月明かりに頼りなく照らされてるだけとなっていた。
 普段ならとても本など読める明るさではなかったのだが、今の彼にとってはそれで十分であった。
 陽の気の象徴たる太陽が沈んだ夜はそもそも主に妖怪の活動する時間であるが、こと陰の気が燦々と
地上に降り注ぐ満月の日は妖怪達が活性化され、その気配に当てられてか人でさえも心がざわつく。
 当然人間と妖怪のハーフである霖之助もその例外ではなく、普段より夜目が利いたり気分が高揚する程度だが、
やはり影響を受けるのだ。
 ちなみに、自ら進んで語るような話題でもなく、またその機会もなかった事から、それを知る者は意外と少なかったりする。
「良い月だな……ふむ」
 暫し無言で月を眺めていた霖之助は誰にとも無く一つ呟くと徐に席を立ち、奥の住居部分へと入って行った。

 夜半の香霖堂にガタゴトと騒がしく物を動かす音がする。
 ただ、それを聞く者は当の霖之助以外に居ないのであるが。


         ◆ ◆ ◆

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プロフィール
ネットの片隅で主に東方Projectの二次小説を書いている小物。
その癖同人に手を出そうとしたり生放送したりと割りと生意気。

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PCで絵なんか描いた事ないのに
気付いたら投稿していた
そもそも絵が描けないから
小説に逃げていたのにって言う
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